コルデス社は1887年、ヴィルヘルム・コルデスⅠ世が北ドイツのエルムスホルンという村に、園芸農場を興したことに始まります。この地は十分な土地と降雨量に恵まれ、様々な苗木の生産に適した地方でした。しかし、当時のコルデス社でのバラの生産は、その事業の中でまだ少量に限られていました。彼の息子であるヴィルヘルム・コルデスⅡ世とヘルマン・コルデスⅠ世の兄弟は、父の仕事を引き継ぎ、発展させることに努め、少し離れたシュパリースホップ村に事業を移しました。その会社「W.コルデス・ゼーネ社(「ヴィルヘルム・コルデスの息子たち」の意)は、順調に発展し、1939~1940年にはバラの苗木生産は100万本以上もの規模にまで拡大しました。

その後、3代目としてヴィルヘルムⅡ世の息子ライマーと、ヘルマンⅠ世の二人の息子、ヘルマンⅡ世とヴェルナーの三人が事業を引継ぎ、1960年代、コルデス社の庭園バラ苗木の生産量は年間400万本にまで達したのです。
1968年からは彼らの子供たちであるヴィルヘルムⅢ世、ティム・ヘルマン、マルガリータとベルント夫妻などが会社を率いて育種、販売、生産にあたり、新しい時代のニーズに合ったバラを開発し続けています。

代表的な品種は、「バラの殿堂」入りしたFL品種「アイスバーグ」、花形の美しいHT「メルヘンケニギン」、コロコロとしたローズピンクの花をあふれるように咲かせるつるバラ「アンジェラ」、修景バラの「バシィーノ」など、大輪系、中輪系、修景バラ、つるバラあらゆる系統をカバーしており多彩です。本国ドイツの「ADR」(耐寒・耐病性を重視して選抜された優良品種)を始め、多くの名誉に輝いています。近年は、クラシカルな花形やソフトな色合いを持ったシリーズにも力を入れています。花の美しさに加えて、北ドイツの厳しい気候に耐える強健性を兼ね備えた品種群は、質実剛健なドイツ人気質を思わせます。

1887年の創業以来、コルデス・ファミリーのスローガンは、「ザ・モスト・ビューティフル・ローゼズ・オブ・ザ・ワールド」― 世界でもっとも美しいバラ。世界でも有数の育種プログラムによる品種の素晴らしさと、海外の代理店ネットワークにより本国ドイツはもとより、ヨーロッパを越え、世界中に広まっています。

コルデス本社には、初代ヴィルヘルム・コルデスⅠ世の時代からの家族写真や、国際バラコンクールで受賞した数え切れないほどのメダルや賞状が飾られた一室があります。それらは何世代にもわたってコルデス家が守ってきた家族の絆と伝統、誇りを感じさせます。時代は変っても、素晴らしいバラをドイツから世界に広げるコルデス社の情熱と夢は変わることがありません。

上空から見たコルデス本社
アイスバーグ
 
 
ヴィルヘルム・コルデスⅠ世
コルデス社を設立した
   
2代目ヴィルヘルム・コルデスⅡ世
ヴィルヘルム・コルデスⅠ世の息子で
バラの育種を引き継いだ
 
コルデス社
  バラ苗木生産風景
 
コルデス社 
スタンダードローズ生産風景
3代目ライマー・コルデス
ヴィルヘルム・コルデスⅡ世の息子で
父の育種事業を引き継いだ
 
4代目コルデスファミリー
コルデス社 事務所棟入り口
 
コルデス社に併設されたローズガーデン